あなたの会社は活気に満ちていますか?

会社の良し悪しを判断する場合経営指標を使って行う方法もありますが,手っ取り早く外見から判断する方法として,「現状分析コンサルティング」があります。
よく「社員は会社の鏡」といわれるように,その会社が絶えず成長を続けていくためには,そこで働く社員が毎日を生き生きと過ごせる職場環境によるところが少なくありません。大多数の社員がやる気を持って仕事に打ち込める環境をつくることこそ人事部門や経営者の大きな役割といえるでしょう。
◆人事制度改革を行う前に
「人事制度改革はやりたいが,予算も時間的余裕もない」と考えている経営者もいると思います。そうした悩みに答える方法として「現状分析コンサルティング」があります。以下の手順を踏んで行えば1か月以内に結論が出ます。
【目次】
1.課題発見のベストプラクティス
(1)「無知の知」を知る
(2)問題認識のない管理職がいる会社は危ない
(3)相談案件に見る間違った目標
(4)相談案件の解決は最終目標につながるか?
(5)問題発見こそ課題解決のベストプラクティス
(6)人事制度改革と就業規則
2.現状分析コンサルティング
(1)人事制度の現状分析方法
・資料分析による方法
・資料分析+職務調査による方法
(2)コロナ後における価値観の変容
(3)人事制度の現状分析結果からわかる課題
1.課題発見のベストプラクティス

(1)「無知の知」を知る
「無知の知」は,古代ギリシアの哲学者ソクラテスが説いた哲学の基本概念です。その意味は,物事について知らないということを自覚して初めて物事の本質が理解できるということです。
つまり,物事の本質を理解しようと思ったら物事について「よく知らない」ことを前提に,まずそのことについて謙虚に学ぶ姿勢が必要ということを意味します。
他方,物事の原因を突き止めて対策をとることを「ソリューション」と呼びますが,原因がわからないまま,あるいはわかったつもりで「ソリューション」を考え実行した場合,どのようなことになるのでしょうか?
当然,結果は失敗に終わります。世の中には,このように問題の原因を深く考えず思い込みで仮説を立てて実行した結果,その原因が別のところにあることに気がつかず何度やってもうまくいかないことがあります。
(2)問題意識のない管理職のいる会社はリスクが多い
「会社業績が好転しない」,「組織が活性化しない」,「優秀な人材が離職する」,「経営トップの考えが社員全体に浸透しない」,「会社の一体感が芽生えない」など,社内には問題が山積しています。
他方,問題意識がない会社よりは,問題意識がある管理職が多い会社の方がましですが,いざ問題を解決しようとすると,役員や上級管理職の「無知の知」が災いして間違ったソリューションを目標に設定する場合が少なくありません。
また,弊所にコンサルティングを依頼されるお客様の中には,ニーズとソリューションをお客様自身が提案してきた場合も検証が必要になります。
お客様の提起した問題をお客様の希望する解決方法で問題解決を行った場合に
起きる問題があります。本来お客様がめざすべきゴール(最終目的)に到達できるとは限らないからです。
人は自分の経験から身につけた思考・行動の枠組みで物を考える傾向があります。それを「自己概念」と呼びますが,物事を知っているつもりでも知らないことがたくさんあることを知らないため,狭い思考で考えた問題解決の手段が間違っていることがしばしばあります。そのことを「無知の無知」といいます。
つまり,問題の認識だけでなく解決手段も含めて問題の本質をよく突き止める必要があるのです。問題の本質を考えずに取り組むと,本来予定していたゴールとは違ったところに着地することに なるのです。
こうした状態が続くと,いつまでたっても問題が潜在化したまま「問題を放置する」企業風土がつくられていきます。
その結果,会社は弱体化し,やがて経営不振に陥ります。その原因の多くは,日頃物事を自分の頭で考えるという習慣がなく,属人的な先入観や思い込みで判断していることに起因しています。
先述の「社内でよく見かける現象」も,先入観を取り除いてゼロベースで考えると,真の原因が見えてきます。
弊所の人事制度コンサルティングはこれらの問題に対して真のソリューションを提供することを前提に,「現状分析コンサルティング」を行っています。
大事なことは誤った目標を設定しないことです。
弊所の人事コンサルタントは,問題の発見から解決策の提案,解決のための実行計画の策定,そして実行まで,顧客企業と一緒に考えながら進めていきます。
(3)相談案件に見る間違った「目標」
顧客企業から相談される案件に次のようなケースがあります。
A社:当社の平均年齢は業界と比べて10才以上高いから業界並みにするための人事制度を考えてほしい。
B社:2,30代の若手社員のモチベーションを高めるため給与水準を引き上げたいが,相談に乗っていただけないか?
C社:アルバイトや契約社員にも正社員と同じ人事制度を導入したいが,何かいい方法はないか?
D社:今,必要なことはコロナウイルスで減収になった収益改善であって,人事制度改革はその後でいいのではないか?
E社:人事制度は営業職と生産技能職などの職種や部下の人数などで格差を設けるべきではないか?
F社:人事制度改革によって処遇上不利益になる社員が出るが,問題はないか?
G社:今までの人事制度は,新卒から定年までのライフステージに合わせた年収変化がわかったから社員は安心して働くことができたが,新人事制度では社員のライフステージを考えた給与スライドは行わないのか?
これらの相談案件は,いずれも顧客企業が物事の本質や最終目的を考えずに弊所にソリューションを考えるよう依頼した事例です。
こうした相談に対して,弊所は次のようにお答えしています。
「貴社の考える問題は本質的な問題とはいえないかもしれないため,まず何が問題なのか現状分析し,真の問題を発見してからソリューションを考えましょう」というものです。 正式に受注した企業では当初顧客企業が想定した「問題」と違うところに問題があることに気づき,問題提起をやり直して人事制度改革に取り組んだところ,本質的な問題が解決できたという事例があります。
(4)相談案件の解決策は最終目的につながるのか?
例えば,顧客企業のリクエストどおりにソリューションを行ったとした場合,どのような結果になるか想像してみてください。A社とB社は社員の年齢に関する悩みごとです。
A社:当社の平均年齢は業界と比べて10才以上高いから業界並みにするための人事制度を考えてほしい。
B社:2,30代の若手社員のモチベーションを高めるため給与水準を引き上げたいが,相談に乗っていただけないか?
C社:今までの人事制度は,新卒から定年までのライフステージに合わせた年収変化がわかったから社員は安心して働くことができたが,新人事制度では社員のライフステージを考えた給与スライドは行わないのか?
<問題解決の視点>
【A社】 出向,転籍,早期退職優遇制度などの施策で平均年齢が10才若返ったとして,何が変わるのか?
例えば,経営計画達成のスピードが速くなるのか?
【B社】 ベースアップ原資を使って2,30代社員の基本給を一律5%引き上げた場合,何がどう変化するのか?
【C社】 社員の年収を入社から定年退職するまでモデル賃金表を作成し,社員にコミットすると社員は本当に安心して頑張って働くのか?
これらの事例は実際に企業経営者からリクエストがあった課題です。その時,顧客の要望どおりにソリューションを考えて実行していたら資金を投入した割には効果(生産性)は上がらなかったのではないかと思います。
(5)問題発見こそベストプラクティス
これらの事例からおわかりのように,人事制度改革に必要なことは問題解決の「ソリューション」よりも先に,現在の問題を顕在化するという「問題発見」といえます。
それには問題の表面的な見方ではなく,「問題」の真の原因を突き止め共有化することが重要なことなのです。
弊所の人事制度改革は,次に解説する「現状分析コンサルティング」を行うことで,今ある問題を顕在化させることができるという特徴があります。
真の問題が発見できれば問題解決は時間の問題です。問題の定義を行えば後はAIでも解けるといっても過言ではありません。
その際,解決手段を提示しながら顧客企業といっしょに問題解決を行っていくのがマインド経営研究所のコンサルティングスタイルです。

(6)人事制度改革と就業規則
会社の経営方針を社員に示した文書が就業規則です。
つまり,就業規則に書かれている内容は会社が社員に求める一方的な規律や規則といえます。
これに対して,人事制度は経営理念や経営戦略を実行するために立案した経営計画の実現を図るツールという側面だけでなく,その計画を実行する主体となる社員のキャリア形成を実現するためのツールという面を併せ持った仕組みです。
したがって,人事制度改革には日々変化する経営環境に適合するための人材育成の仕組みが包含されていることが条件になります。
経営者の一方的な経営計画達成の目標だけを考えた人事制度は社員の納得性に欠けるため,優秀社員ほど社外に流出することになります。
2.現状分析コンサルティング

(1)人事制度の現状分析手法
現行人事制度の良し悪しを判定するには,現行制度が会社と社員の双方に対して有効に機能しているかどうかを検証すればわかります。
つまり,人事制度は会社にとって経営計画を達成するためのツールという位置づけであり,社員にとっては仕事をとおして自己のキャリア形成を図る仕組みになっていることが求められるからです。
現状分析の方法は次の2とおりです。1つはハード的アプローチで,現行人事制度を運用するのに必要な全資料を分析する方法です。
資料には,「人事制度マニュアル」,「就業規則」,「資格管理規程」,「給与規程」,「給与データ」,「人事評価表」,「人事制度関連の各種通達」等があります。
もう1つは,ソフト的アプローチ方法です。組織図からベンチマーキングした職位に対して人事コンサルタントが1人ずつ職務調査と称する面談をとおして現状を分析する方法です。

現行人事制度を運用している資料を使って,現行制度が会社と社員の双方にとって目的を満足するための仕組みが機能不全に陥っていないかを検証します。
検証のポイントは,社員に向けて作成した各資料がわかりやすく社員の納得性が高いものになっているかを判断することです。
例えば,人事評価の「通達」は「誰のためにどのような目的を持って出されたものか」という観点で検証します。
人事制度の基本理念としての「公平」,「公正」,「納得性」という3つの要件が備わっているだけでなく,人事制度が有効に機能しているかが重要な鍵になります。
その中でも「(社員の)納得性」が一番の要件といえます。社員が納得できないことを会社が無理強いしても決していい成果が出せないからです。
また,「納得性」の前提には,「情報共有と仕組みと運用の透明性」が必要になります。これらについて,顧客企業から提供を受けた資料を分析することによって判断します。
さらに,給与データによって給与シミュレーションを行い,賃金傾向分析からさまざまな要素(年齢,性別,役職,等級,職務等)と賃金間の相関関係や賃金傾向を示すことができます。

資料分析は現行人事制度が設計理念どおりに機能しているかどうかを検証するのに役立ちますが,運用面での検証は,現実に人事制度を使っている生身の社員の声を聞くことが間違いのないところです。
というのは,人事制度は「社員のモチベーションを向上させるための処遇の仕組み」と定義されるように,いくら立派な仕組みを備えた制度であっても,次のようなことが原因でやる気をなくす社員が少なくないからです。
「昇給や昇格の仕組みがわからない」,「人事評価のフィードバックがないため,どのように努力すればいいのかがわからない」,「賞与評価が相対評価になっているため,同じ部門の中に『S』をとる優秀な人がいると,成果が出ていない社員に『D』をつけることになる」などと評価に疑念を持つ不満が原因でやる気をなくします
このように,人事制度の運用に関する問題はなかなか表面に出ることがないため,職務調査を行うことによって現行人事制度に対する社員の率直な意見が問題として浮かび上がってきます。
(2)コロナ以降における価値観の変容

2020年3月から始まった新型コロナウイルスの蔓延により私たちの生活様式は大きく変貌しました。上記に示すように,コロナ以降の新たな環境に適合するように私たちの思考・行動は大きく変わりました。
こうした中で,誰もが「働くこと」の意味を真剣に考えるようになった結果,持続可能な社会に生き残るためには社会から要求されるモノやサービスをスピーディーに顧客に提供する必要があることに気づかされました。
このことに伴って,人事制度も企業の成長・存続と社員のキャリア形成を両立させる役割等級制度が注目されるようになったといえます。
(3)現状分析結果の成果物と課題
現行人事制度の分析結果は,人事コンサルティング会社から委託企業に「現行人事制度の分析結果報告書」という報告書にして納品されます。
その内容は次のとおりです。
【1】人事制度分析結果報告書
1.人事制度の理念と制度への反映
2.等級制度の検証
3.評価制度の検証
4.給与制度の検証
【2】給与傾向値分析結果報告書
1.年功賃金傾向
2.賃金の性差別傾向
3.職種別賃金格差
4.年齢と役職の相関係数
5.等級間給与格差
6.同等級内給与格差
7.責任と給与のミスマッチ状況
8.総額人件費管理のための範囲給の設定
9.等級別モデル給与レンジ
10.等級別モデル年収
委託企業である顧客企業は,この「報告書」の詳細について原因と結果という因果関係とその因果関係に影響を与えている要因を指摘し,その要因と賃金についての相関係数を分析し説明いたします。
そのうえで,顧客企業がその「報告結果」を今後どのように生かすかについて相談し,最終的には人事制度改革を行うのかの判断を協議します。その際の主導権はあくまでも顧客企業にあることは言うまでもないことです。

